デザイナーには「誰でもなれる」、デザインとは「誰でもできる」という旨のブログを挨拶をかねて書いたと思うのですが、今回の内容はその続きとなります。
例えば医者になりたい、弁護士になりたい、料理人になりたいと言った場合、その職業に適した資格というものがあるわけで、もちろん一朝一夕ではなれません。
しかしながら、デザイナーはいわば無資格商売であり、一朝一夕どころか、PCとインターネット環境さえそろえれば、その瞬間になれてしまいます。
現在、デザインを生業にしているものからすると、力ある協会や組合を作り「資格商売にしてしまう」という選択肢もあるのだと思いますが、これには個人的には反対ですし、歴史的にみてもうまくいってきていないところを見ると、この考え方自体が、デザイン的ではないのだと感じます。
また、ある種の職人的風土を残しつつ、多くの人にデザインとは何かという部分は知ってもらいたいと願ってる部分が半分、あとの半分はデザインという「考え方」はどの職業でも使える「技術」だと考えているからでもあります。
昨今、特に聞く「デザイン思考」というものがそうですし、営業におけるプレゼン能力や、職場をどう快適にしていくのかという点をとっても、すなわちデザインであると考えています。
つまり、「誰でもできる」「誰でも使える」、そんな技術をビジネスツールにしているのが、我々デザイナー(とりわけグラッフィク・ウェブデザイナー)ということになります。
なぜ、それでも私たちにご相談いただき、お仕事になるのかというと、そこには膨大な時間がかかるのと、クライアント自身が自分のビジネスを冷静に外から見るというのは非常に困難だからだと思っています。
経営コンサルティングに頼りたくなる気持ちなども非常にお察しするところです。
我々はもちろんクライアントの代わりにサロンワークを行ったり、おいしいご飯を提供したりはできません。
しかし、一緒に考えることはできます。デザインはただ、クライアントの望んだものを作る職業ではなくなってきているのです。
それがデザインの本来的な役割であるし、これからのデザイナーがもつべき姿勢でもあります。
ただ、デザイナーも一人の人ですので、いわゆる「名が知れているデザイナーだから任せる」というのも全くオススメしません。
おそらく、より良いものをコンスタンスに生み出すためには、多角的視野に立たねばならず、そこには共通の目的をもったデザインチームのような形が必要になってくるはずです。
私たちが目指すのは、一人のトップデザイナーによる芸術活動ではなく、チームによるより良い結果を作れるシステム作りなのだと思います。